不妊症・不育症のための妊娠しやすいからだづくり

性の分化:妊娠の基礎知識

性の分化は受精の瞬間に性染色体のXYないしXXの組み合わせにより規定され、精巧なメカニズムにより生殖器が発生、分化します。遺伝子により制御され、男女それぞれの性腺、内性器、外性器が形成されます。

未分化期

性分化は受精に始まります。X染色体をもつ精子かY染色体をもつ精子であるかにより胚の性染色体構成が決定されます。
発生初期にXX核型の細胞はどちらか一方のX染色体が不活化され、この現象をX染色体の不活化といい、X染色体不活化センターにより制御されています。
胎生4週に原始生殖細胞が卵黄嚢から生殖堤に移動します。生殖堤近傍の体腔上皮は増殖し、生殖堤の中胚葉に侵入し、原始生殖索を形成します。未分化性腺は原始生殖細胞、体腔上皮、生殖堤中胚葉から構成され、性差は認められません。
胎生5週に中腎管由来のウォルフ管が形成され、胎生7週にミュラー管が形成され、男女ともにウォルフ管とミュラー管を両側にもっており、どちらの性へも分化できる能力を持っているということになります。

性腺の分化

性分化は性腺原基が精巣になるかそれとも卵巣になるかということで、SRY(sex determining region Y )が発現すると未分化性腺は精巣へ分化し、SRYが発現しないと卵巣へ分化します。

精巣の分化

胎生7週にSRYは原始生殖索の細胞で発現し、精巣索へと分化します。精巣索は、原始生殖細胞から分化した精原細胞とセルトリ細胞から構成され、セルトリ細胞は抗ミュラー管ホルモン(AMH)を分泌し、ミュラー管の子宮、卵管への分化を抑制します。精巣索の間質にはライディッヒ細胞があり、胎生7週か絨毛性ゴナドトロピンの影響のもとテストステロンを分泌します。

卵巣の分化

原始生殖索は消失し、性腺表層上皮は増殖を続け、胎生7週に皮質索を形成します。皮質索は胎生4か月にさらに多くの細胞集団にわかれ、それぞれが原始生殖細胞から分化した卵原細胞を取り囲むようになります。

性管の分化

ミュラー管は、AMHにより、ウォルフ管はテストステロン、エストロゲンにより分化が調整されています。

男性の性管の分化

AMHによりミュラー管が胎生10週までに退縮します。テストステロンはウォルフ管を精巣上体、精管、精嚢へ分化します。

女性の性管の分化

母体、胎盤、胎児卵巣からのエストロゲンの影響によりウォルフ管が退縮します。ミュラー管は子宮、卵管へと分化します。

外性器の分化

外性器は尿生殖洞周囲の中胚葉に由来します。

男性の外性器の分化

精巣から分泌されたエストロゲンは、尿生殖洞に存在する酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。テストステロンとDHTが生殖結節を亀頭に、生殖隆起を陰嚢に分化させます。母体

女性の外性器の分化

生殖結節は陰核に、生殖隆起は大陰唇に分化します。