不妊症・不育症のための妊娠しやすいからだづくり

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黄体の形成と機能:妊娠の基礎知識

自然妊娠が成立するためには、月経周期において卵巣内で卵胞の発育、成熟卵胞の生成、排卵、黄体の形成などの過程が正常に行われることが必要です。そのなかで、黄体は主な機能であるステロイドホルモンープロゲステロンの分泌作用を通じて、受精卵の着床や胎芽の発育に重要な役割を担っています。

黄体の形成

卵胞期に下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)の刺激により卵巣内の卵胞が発育を開始します。月経周期の7~8日には主席卵胞とよばれる増大した卵胞が1つ出現し、成熟卵胞(グラーフ卵胞)へと成長していきエストロゲンの分泌を開始します。
血中エストロゲン濃度が上昇するとポジティブ・フィードバック機構が働き下垂体から黄体化ホルモン(LH)の大量分泌(LHサージ)が起こります。また、その頃になるとエストロゲンなどの作用により顆粒膜細胞にLHレセプターが発現していて、LH刺激により卵胞内顆粒膜細胞の黄体化が始まるとともに、卵胞頂部の突出が起こります。そして、ほどなく卵胞壁が破裂し排卵が起こり卵子は腹腔に放出されていきます。排卵に相前後して、顆粒膜細胞と内夾膜細胞の黄体化が始まり、排卵後に起こる著しい血管の新生とともに細胞の増殖が起こり黄体が形成されます。黄体は排卵より3日くらいで成熟黄体となり、約12日間機能を維持します。

黄体のはたらき

黄体のはたらきは、ステロイドホルモンを合成して、正常月経の周期性発来や妊娠の成立と維持などに関与しています。

プロゲステロン・エストロゲンの合成と分泌

排卵後、黄体化を開始した顆粒膜細胞や夾膜細胞の細胞内に多くの脂肪を含みます。これはルテインという黄色の脂肪(このことにより黄体とよばれます)で、これをコレステロールの代謝を通じてプロゲステロン・エストロゲンに合成されます。また、排卵後には黄体化ホルモン(LH)の作用で毛細血管の新生により血液よりリポ蛋白を細胞質内に取り込み、コレステロールエステルとして細胞質内に貯留されたあと、プロゲステロンとして分泌されます。

月経の周期性

子宮内膜では、卵胞期に分泌されたエストロゲンにより細胞の増殖が促進され、排卵後の黄体の形成により多量に分泌されたプロゲステロンにより子宮内膜の肥厚がさらにすすみ分泌期へと分化し、子宮内膜を着床に適した環境へと変化させ、着床に備えます。
妊娠が成立しない場合は、排卵後14日の寿命で黄体は退縮して結合織におきかわって白体となり、子宮内膜は脱落して月経となります。

着床へのはたらきかけ

着床には、胚の発育と子宮内膜の分化が必要となります。
着床が近づくと黄体より多量に分泌されるプロゲステロンや胞胚が関与するさまざまな物質により血管拡張、間質細胞の肥大がおこり、グリコーゲンに富んだ分泌物が内膜腺から分泌され、子宮内膜や間質が脱落膜変化を起こり、脱落膜が受精卵を受け入れます。脱落膜が受精卵を受け入れることが可能な期間を着床の窓といい、排卵後 5~8 日間をいいます。すなわち、受精卵が着床できるのは子宮内膜の窓が開いている期間だけです。 

妊娠の維持

妊娠が成立すれば黄体は増大し、妊娠黄体へと移行し、妊娠16週頃に最大となり、胎盤の機能が確立するまで妊娠を維持するようにはたらき、その後縮小、退縮していきます。

黄体の退行

黄体は、正常月経において約14日で寿命を終えますが、最後の4~5日に退行変性を起こします。黄体細胞はしだいに消失し、プロゲステロン分泌のはたらきも急速に喪失していきます。
黄体は、その後、組織は線維成分に置き換わり、白体となっていきます。
黄体の退行現象の機序は、アポトーシスによるところが大きいとされていますが、不明な点が数多く、いまだ解明されていません。
黄体は、妊娠が成立しなければ次の排卵周期を回帰するために退行しなければならないといえます。

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